外の壁⁉ <中殿筋> – ① –
インフルエンザが流行っている中、今度は新型肺炎(COVID-19)。
でも、忘れてはいけません!ウィルスの次に花粉が迫っています!
目に見えない小さな侵略者ほど怖いものはありません!!
うがいに手洗い、食事に睡眠、適度な運動。これ対策の基本です。1日も早い終息を願います。
さて、今回取り上げる筋は、『中殿筋(ちゅうでんきん):Gulteus Medius』です。
“骨盤(腸骨)の腸骨翼の外側面(前殿筋線と後殿筋線の間)” から起こり、腱となって “大腿骨の大転子
の外側” に着きます。
支配神経は、“上殿神経(じょうでんしんけい);(L4-5/S1)” です。
この中殿筋は、図ではひと塊の筋肉に見えますが、解剖では、筋線維の走行の違いが観察されています。
専門的には、前部と後部の2つ(上左図;〇+△/✖)に分かれいるという報告や、前部・中部・後部の
3つ(上左図;〇/△/✖)に分かれている、という報告があります。
この中殿筋の働きは、股関節の外転(脚を外に開く)です。
さらに、内旋(脚を内側に捻る)や、外旋(脚を外側に捻る)にも作用します。
簡略図で簡単に作用を考えてみます。
中殿筋は、横から見る(上図左)と、筋が着いている脚(大転子)を頂点にした逆三角形の形をしており、
前から見る(上図右)と、外に張り出しています。
ですので、骨盤と脚が横から見て直線に近い状態では、脚を外に開く力(外転)がメインとして作用と
なります。
しかし、脚が前に来ている状態(脚を曲げている:屈曲;上図左)では、脚を内側に捻る(内旋)作用
が、反対に脚が後ろに来ている状態(脚を延ばしている:伸展;上図右)では、脚を外側に捻る(外
旋)作用の要素も入ってきます。
よく、椅坐位で脚を横に開いて中殿筋を鍛える “ヒップアブダクションマシーン” がありますが、純粋
に中殿筋としての機能を高めようとするには非効率と言えるでしょう。
このような筋の働きは、脚が地面に着いていない状態での働きです。
中殿筋にはもう一つ大事な働きがあり、それは、脚が地面に着いた状態での働きです。
この状態では、筋が付着する脚(大転子)の骨に向け筋が縮み、骨盤を脚に近づけるように作用するた
め、前にも触れた “骨盤を安定させる” 働きをします。
次回は、この働きをもう少し詳しく見ていきたいと思います。
<ビルの谷間に咲く “河津桜” 。春はもうすぐです。>