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鼠径部は悩みの種+驚きの種!! <大腿四頭筋>

朝晩は大分冷え込んできました。

週末は寒気がやってきそうです。

空気も乾燥していますから風邪には十分注意したいですね。

 

股関節にとって大事な部分であり、問題が出やすい部位でもある「鼠径部」を、『鼠径部は悩みの種』

 として、しばらくその筋肉を中心に一通り追いかけてきました。

しかし、「鼠径部」は、股関節の前面を構成しているだけですから、順次、内側・外側・後ろと、追い

 かけていきたいと思っています。

今回は、「鼠径部」の最後を飾る “大腿四頭筋” です。

えっ、でも以前にやりましたよね。

四つの筋から構成されていますが、“大腿直筋” は、二頭筋なので大げさに言うと、“大腿五頭筋”

 呼んでもいいのではないかと……。

でもでも驚きの文献があったのです。

それが、「大腿四頭筋に第五の筋、『中間広筋張筋(TVI:Tensor of the Vastus Intermedius )』

 が存在する。」という文献です。

どういうことでしょう???

元は、1989年に、イギリスのマンチェスター大学医学部の先生が、「人間の外側広筋の形態学的変化」

 という文献を出されていて、40人の献体(♂21人・♀19人)を解剖の結果、約1/3に外側広筋の内側

 に新たな筋層がある、ということを指摘しています。

 

さらに、2016年に、オーストリアとスイスの解剖学者が、「新発見の筋肉:中間広筋張筋」として文献

 発表しているんです。

文献によると、26人の献体を解剖し、その全てで外側広筋と中間広筋の間で、大腿骨の転子間から膝蓋

 腱に至るこの筋(筋腹は短くほとんどが大腿筋膜張筋のような腱組織)が存在し、4つのタイプがある

1つは、独立しているもの、1つは、内側広筋に結合するもの、、1つは、外側広筋に結合するもの、1つは、

 内側広筋と外側広筋両方に結合するものです。

さらに、もう1つ、大転子側と小転子側に起始部を持つ(二頭筋)もあった、ということです。

支配神経と、動脈は、大腿神経・外側大腿回旋動脈。

  

     *一番右の図)1:中間広筋張筋 2:外側広筋 3:中間広筋 6:内側広筋 5:大腿直筋 4:大腿筋膜張筋

ということで、彼らはこの筋を、中間広筋張筋(TVI:Tensor of the Vastus Intermedius )と命名

 しました。

 

新しい筋の発見!なんて驚きですね。

しかし、その機能を含め、この筋がどこまで市民権を得ているのかは疑問ですが……。

とはいえ、これまで解剖なんてし尽されているように思いますが、まだまだ、人間の身体は奥が本当に

 深い!ということです。

「変股症は簡単にレントゲンだけで決められるものではないんじゃっ!」 ということです!!