私たちは深圧という特殊技術で股関節を専門に施術しています

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軟骨はなぜ減るのか?

股関節痛の原因(正体)にも記載の通り、股関節痛の主な原因は2つあります。

  • 筋肉の病気
  • 股関節関節包内の炎症

軟骨が減る原因も、実はこの2つの原因と関連しています。

軟骨が減る原因も2つあるのです。

1の軟骨軟化症は、筋肉が病気によって縮むことが原因で起きる軟骨の病気です。

股関節痛があるときに連動して軟骨が減っていくのです。

したがって、股関節痛を改善することは、確実に軟骨が減ることを抑える働きがあるのです。

単に足に体重をかけることが原因ではありません。

一見、足をかばうと軟骨が長持ちするように思われますが、そのことが原因ではないので全く関係ありません。

単に足に体重をかけることが原因なら、マラソン選手は大変なことになります。

体重が重いというだけで軟骨はすり減るのでしょうか?

お相撲さんたちはみな軟骨が無いのでしょうか?

まずは、軟骨軟化症について説明します。

1. 軟骨軟化症

股関節のレントゲンを撮ったときに、大腿骨と骨盤側の寛骨の間にすき間が写ります。

このすき間には軟骨があるのですが、レントゲン上では文字通り“すき間”しか写りません。
軟骨はX線をかなり通過させますので、レントゲンでは白く映らないのです。

このすき間には個人差がありますが、正常では5mm~7mm程と言われています。

皆さんも等身大のレントゲン写真があればモノサシで計ることができます。

例えば、レントゲン写真を見て左側が7mm、右側が4mmだったとしましょう。
このレントゲンを見て、多くの方は「右側の軟骨がすり減っています」と言われると思います。

しかし、実は「その通り」とも言えないのです。

実際には、筋肉を緩ませるだけで軟骨のすき間が広がる方もいるのですが、これは股関節痛が出始めてからまだ間もない方に多く見られます。

まずは、筋肉の病気によって筋肉が縮むこと、そして筋肉の縮みが軟骨が減る原因となっていることをご理解ください。

筋肉が病気になった時の、股関節周りの筋肉が縮む力はかなり強いと思います。

特に股関節痛が強いときの縮む力は相当なものでしょう。

筋肉が正常な時と筋肉が病気の時の軟骨の状態を絵にしてみました。

股関節の模式図です。

上下に骨があって、真ん中にあるものが軟骨とします。
両サイドに2本だけ筋肉を書いてみました。

筋肉が病気になると、筋肉は縮みます。

股関節の模式図

両サイドの2本の筋肉が縮みます。
すると、下の骨は上の骨に引きつけられます。
その結果、軟骨は押しつぶされてしまいます。

この状態は、筋肉の病気を治さない限り、寝ている時も起きている時も、つまり24時間このような状態が続いてしまいます。

軟骨は圧迫されて押しつぶされている状態が続くと、軟骨内に栄養が行き届かなくなり軟骨細胞が減り始めるのです。

軟骨が圧迫され続けて、軟骨細胞が減り続ける状態を軟骨軟化症と言います。

軟骨の栄養失調状態です。

この絵では、2本しか筋肉を書いていませんが、股関節では20本以上の筋肉が関節の隙間を縮める可能性があります。

筋肉が病気になる

  • → 軟骨がつぶされた状態となる
  • → 栄養と酸素がいきわたらない
  • → 軟骨軟化症
  • → 次第に軟骨が少なくなっていく

という次第です。

筋肉が緩むと股関節のすき間には余裕が生まれます。

このすき間の余裕が軟骨に栄養が行きわたり軟骨を元気にさせる源です。

人工股関節手術後の方も、自骨手術後の方も、考え方は同じです。

人工股関節の場合は、軟骨も人工のモノが入っていますが、「人工軟骨が何年持つか?=人工関節が何年持つか?」ということになるため、人工軟骨も圧迫が強くない方が長持ちするのです。

股関節周りの筋肉を緩め、股関節内の圧迫を少なくして、軟骨を長持ちさせましょう。

2. 股関節関節包内の炎症

次に、股関節関節包内の炎症と軟骨が減ることの関係についてです。

股関節の関節包内に炎症が起きることが変形性関節症の根本原因だと考えています。

では、なぜ炎症は起きるのでしょうか?

それは、股関節を捻挫したことがきっかけかもしれません。

捻挫のきっかけは急に方向を変えようとした時だったかもしれません。

すごく重いものを持ち上げようとした時だったかもしれません。

もしかしたら、転倒やつまづきが原因だったかもしれません。

また、急激なストレッチや筋トレが原因だったかもしれません。

原因がわからないことが多いと思いますが、徐々に筋疲労が蓄積して(累積疲労と呼ぶ人もいます)、軟骨が傷ついてはがれて関節包を刺激して炎症が起きてしまったのかもしれません。

もともと、炎症とは傷ついた組織を治そうとして起こる現象ですので、実は治癒過程には必要不可欠な症状です。

炎症が起きると、次のような物質が股関節関節包内に出てきます。

炎症メディエーターと発生組織の相関図
※この図では、縦の項目の各種発痛物質、プロスタノイド、サイトカイン、フリーラジカル等の物質が、横の項目の血漿、血小板、白血球、マクロファージ、血管内皮、肥満細胞、、角化細胞、線維芽細胞のうちどの組織から出ているのかを示しています。

(参照:滋賀医科大学)

炎症が起きると、表のような炎症成分が股関節関節包内に出てくるのですが、これらの成分はまとめて炎症メディエーターと呼ばれています。

この表にもありますが、股関節内に炎症が起きるとサイトカインというタンパク質によって、MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ‐3)というコラーゲン分解酵素が産生されます。

このMMP-3が実は厄介な代物で、人の軟骨成分を構成するコラーゲンやプロテオグリガンを分解してしまい、軟骨細胞を破壊してしまうのです。

『軟骨軟化症』も『炎症メディエーター』も『MMP-3』も架空のものではありません。

そして、これら軟骨が減る原因は改善予防ができるのです。

その改善策は、股関節痛の原因を改善する方法と同じです。

深圧で筋肉を緩めること。

また、関節炎を抑制する作用があるとされている「アガロオリゴ糖」(タカラバイオ)を摂取することなども方策の一つです。