外の壁⁉ <再登場:大腿筋膜張筋からの腸脛靭帯> ②
冬に近づくにつれ、Covid-19 が元気になりつつあります。
おまけにインフルも影を潜めていますが……
でも大丈夫!
どんな時でも基本が大事。 = 「マスク」と「手指消毒」、それと「三密対策」!! デスね。
水分もこまめにしっかり摂りましょう。
さて、今回の主役は、『腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)』です。
英語表記では、
『Tractus Iliotibialis;TI または、Iliotibialis Tract ;ITT または、Iliotibialis Band ;ITB』
となります。
しかし、「靭帯」と名前がつきながら、その英語表記の「Ligament」とは、表記されてません。??
その謎を探ってみましょう。
『腸脛靭帯』は、「大腿筋膜張筋」・「中殿筋」・「大殿筋」からの線維から起こり、股関節を超え、
大腿の外側を下行し、さらに膝関節を超え、脛骨の外側顆(がいそくか)という場所に至ります。
図からも分かるように、『腸脛靭帯』のほとんどは、筋肉組織ではありません。
ちょっと難しいですが、「大腿筋膜張筋」・「大殿筋」・「中殿筋」から終結した線維の束を中心に、
大腿外側の筋膜が厚く肥厚した膜様組織なのです。
ですので、『腸脛靭帯』自体では、収縮する働きはありません。
さらに面白い構造をしており、大腿外側部では、膝関節を伸ばす筋肉と、膝関節を曲げる筋肉の間を
隔てる「外側筋間中隔(がいそくきんかんちゅうかく)」という膜を介して、大腿骨に付着してい
ます。
そもそも「靭帯」とは、骨と骨とを繋ぐ、あるいは補強する、線維性の結合組織のことを言うため、
『腸脛靭帯』における「靭帯」は、適した表現ではありません。
ですので、英語表記では、「tract;束」とか、「band;帯」と言った表現になるのです。
ではこの『腸脛靭帯』、身体にとってどのような役割があるのでしょうか?
その役割については、次回触れたいと思います。